復活後の出来事(エマオ篇)

 復活後の出来事 エマオ篇

 

この文章は、エルサレムからエマオという村に向かっていた弟子たちの物語です。弟子たちがイエスのことを話している間に、イエスご自身が彼らに近づき、彼らと共に歩き始めますが、彼らはイエスだと認識しません。イエスは彼らに、聖書の預言者たちが述べたことを説明し、自分の苦しみと栄光について話しました。

 

彼らがエマオに近づいたとき、イエスは彼らと一緒に留まり、パンを分ける際に彼らの目が開かれ、イエスだと気づきますが、その後イエスの姿は消えます。この出来事に感動し、二人はすぐにエルサレムに戻り、他の弟子たちと再会します。そこでイエスが実際に復活したことを確認し、イエスは再び彼らに現れて、聖書の予言が成就したことを説明し、罪の赦しを得るための悔い改めが全ての国の人々に伝えられるべきであると教えました。

 

イエスは弟子たちに、エルサレムに留まり、力を受けるまで待つように指示し、その後彼らをベタニアまで連れて行き、祝福した後に天に昇りました。弟子たちはエルサレムに戻り、大きな喜びとともに常に神を讃えていました。この物語は、イエスの復活と彼の教えが全世界に広がる始まりを示しています。

 

 

 

 

 

ルカ24

 

弟子たちの二人が、エルサレムから約十一キロメートル離れたエマオという村に向かっていたこと。

13 ところで、ちょうどこの日、弟子たちのうちの二人が、エルサレムから六十スタディオン余り離れた、エマオという村に向かっていた。

スタディオン(stadion)は古代の長さの単位で、1スタディオンは約185メートルです。したがって、六十スタディオンは次のように計算できます:

\[ 60 \text{ スタディオン} \times 185 \text{ メートル/スタディオン} = 11,100 \text{ メートル} \]

これをキロメートルに変換すると、\[ 11,100 \text{ メートル} \div 1,000 = 11.1 \text{ キロメートル} \]よって、六十スタディオンは約11.1キロメートルに相当します。

人の足で歩くと約2時間15分ぐらいの距離。

 

彼らが最近の出来事について話し合っていたこと。

14 彼らは、これらの出来事すべてについて話し合っていた。

 

イエスが彼らに近づいて一緒に歩き始めたが、彼らはイエスであることを認識できなかったこと。

15 話し合ったり論じ合ったりしているところに、イエスご自身が近づいて来て、彼らとともに歩き始められた。

16 しかし、二人の目はさえぎられていて、イエスであることが分からなかった。

 

 

イエスが彼らの話題について尋ねた後、彼らが立ち止まり、困惑した表情をしたこと。

17 イエスは彼らに言われた。「歩きながら語り合っているその話は何のことですか。」すると、二人は暗い顔をして立ち止まった。

 

彼らがイエスに最近エルサレムで起きたナザレ人イエスの死と復活の話を説明したこと。

18 そして、その一人、クレオパという人がイエスに答えた。「エルサレムに滞在していながら、近ごろそこで起こったことを、あなただけがご存じないのですか。」

19 イエスが「どんなことですか」と言われると、二人は答えた。「ナザレ人イエス様のことです。この方は、神と民全体の前で、行いにもことばにも力のある預言者でした。

20 それなのに、私たちの祭司長たちや議員たちは、この方を死刑にするために引き渡して、十字架につけてしまいました。

21 私たちは、この方こそイスラエルを解放する方だ、と望みをかけていました。実際、そればかりではありません。そのことがあってから三日目になりますが、

22 仲間の女たちの何人かが、私たちを驚かせました。彼女たちは朝早く墓に行きましたが、

23 イエス様のからだが見当たらず、戻って来ました。そして、自分たちは御使いたちの幻を見た、彼らはイエス様が生きておられると告げた、と言うのです。

24 それで、仲間の何人かが墓に行ってみたのですが、まさしく彼女たちの言ったとおりで、あの方は見当たりませんでした。」

 

イエスが彼らを叱り、聖書の預言がどのようにキリストの苦しみと栄光を予告していたかを解説したこと。

25 そこでイエスは彼らに言われた。「ああ、愚かな者たち。心が鈍くて、預言者たちの言ったことすべてを信じられない者たち。

26 キリストは必ずそのような苦しみを受け、それから、その栄光に入るはずだったのではありませんか。」

27 それからイエスは、モーセやすべての預言者たちから始めて、ご自分について聖書全体に書いてあることを彼らに説き明かされた。

 

村に近づいた際、イエスがさらに進もうとしたが、弟子たちがイエスを誘って一緒に泊まるよう求め、イエスが同意してパンを分けたこと。

28 彼らは目的の村の近くに来たが、イエスはもっと先まで行きそうな様子であった。

29 彼らが、「一緒にお泊まりください。そろそろ夕刻になりますし、日もすでに傾いています」と言って強く勧めたので、イエスは彼らとともに泊まるため、中に入られた。

30 そして彼らと食卓に着くと、イエスはパンを取って神をほめたたえ、裂いて彼らに渡された。

 

パンを裂いた瞬間に彼らの目が開かれ、イエスだと認識したが、すぐにイエスの姿が消えたこと。

31 すると彼らの目が開かれ、イエスだと分かったが、その姿は見えなくなった。

32 二人は話し合った。「道々お話しくださる間、私たちに聖書を説き明かしてくださる間、私たちの心は内で燃えていたではないか。

 

「聖書を解き明かしてくださる間、私たちの心は内に燃えていたではないか」、この言葉に理解ができる。その内容は次の通りです。希望が与えられていると言う事です。

 

二人がエルサレムに戻り、他の弟子たちと出来事を共有したこと。

33 二人はただちに立ち上がり、エルサレムに戻った。すると、十一人とその仲間が集まって、

34 「本当に主はよみがえって、シモンに姿を現された」と話していた。

35 そこで二人も、道中で起こったことや、パンを裂かれたときにイエスだと分かった次第を話した。

 

イエスが再び彼らの中に現れ、彼らが幽霊だと思って恐れたが、イエスが自分の身体を示してそれを否定したこと。

36 これらのことを話していると、イエスご自身が彼らの真ん中に立ち、「平安があなたがたにあるように」と言われた。

37 彼らはおびえて震え上がり、幽霊を見ているのだと思った。

38 そこで、イエスは言われた。「なぜ取り乱しているのですか。どうして心に疑いを抱くのですか。

39 わたしの手やわたしの足を見なさい。まさしくわたしです。わたしにさわって、よく見なさい。幽霊なら肉や骨はありません。見て分かるように、わたしにはあります。」

40 こう言って、イエスは彼らに手と足を見せられた。

41 彼らが喜びのあまりまだ信じられず、不思議がっていたので、イエスは、「ここに何か食べ物がありますか」と言われた。

42 そこで、焼いた魚を一切れ差し出すと、

43 イエスはそれを取って、彼らの前で召し上がった。

 

イエスが聖書の成就について説明し、彼らに聖書の理解を開かせ、全国に悔い改めと罪の赦しを宣べ伝えるよう命じたこと。

44 そしてイエスは言われた。「わたしがまだあなたがたと一緒にいたころ、あなたがたに話したことばはこうです。わたしについて、モーセの律法と預言者たちの書と詩篇に書いてあることは、すべて成就しなければなりません。」

45 それからイエスは、聖書を悟らせるために彼らの心を開いて、

46 こう言われた。「次のように書いてあります。『キリストは苦しみを受け、三日目に死人の中からよみがえり、

47 その名によって、罪の赦しを得させる悔い改めが、あらゆる国の人々に宣べ伝えられる。』エルサレムから開始して、

48 あなたがたは、これらのことの証人となります。

49 見よ。わたしは、わたしの父が約束されたものをあなたがたに送ります。あなたがたは、いと高き所から力を着せられるまでは、都にとどまっていなさい。」

 

イエスが弟子たちをベタニアまで連れて行き、祝福した後に天に昇ったこと。弟子たちが大きな喜びとともにエルサレムに帰り、常に神を賛美していたこと。

50 それからイエスは、弟子たちをベタニアの近くまで連れて行き、手を上げて祝福された。

51 そして、祝福しながら彼らから離れて行き、天に上げられた。

52 彼らはイエスを礼拝した後、大きな喜びとともにエルサレムに帰り、

53 いつも宮にいて神をほめたたえていた。

 

エルサレムからベタニアまで3.2キロ。徒歩1時間程度の距離