メシアを待ち望んだミカ

令和4年12月18日(日)に公開。

ミカ書全体を朗読して聴いて頂けるといいですね。

 

クリスマス、イエスさま降誕日を迎える最期の週となりました。

この時を迎えるまでに、当たり前の事ですが、

一年かかっているわけです。

ですから、一日、一日を大切に聖書をあじわいながら迎えたいと思います。

 

今回のお話は旧約聖書ミカ書から、メシアを待ち望んだ預言者ミカのお話をします。

ミカはBC750年〜686年に活動していました。その時のイスラエルは二分化されでおり混沌とした不安定な社会でした。

ミカとは、「誰が【主】のようなであろうか」という名前の意味があります。

これは7章18節に「あなたのような神が、ほかにあるでしょうか。あなたは咎を除き、ご自分のゆずりである残りの者のために、背きを見過ごしてくださる神。いつまでも怒り続けることはありません。神は、恵みを喜ばれるからです。」という意味にもつながります。

 

ミカはイザヤと同時代の預言者で、地方で活動する預言者ミカと考えるとわかりやすいですね。

ユダ王国の預言者で、ヨタム王(短命)、アハズ王(悪王)、ヒゼキヤ(善王)時代で活動します。

ミカの預言は、サマリヤ(北王国)とエルサレム(南王国)の両方に向けられます。

 

1,救世主誕生の預言

ミカ書5章2節

「ベツレヘム・エフラテよ、あなたはユダの氏族の中で、あまりにも小さい。だが、あなたからわたしのためにイスラエルを治める者が出る。その出現は昔から、永遠の昔から定まっている。」

 

イエスさまがガリラヤ湖周辺を巡回されている最中、奇跡を起こすイエスさまに向けて何者なのかと話し合う中、メシアが誕生するのはベツレヘムと答える場面がヨハネによる福音書7章42節です。

また東方の博士が、幼子イエスを探す際にヘロデ王を訪ねメシアが誕生するはずの場所はどこかと問われた際、

祭司や律法学者はミカ書を引用した。マタイによる福音書2章6節

 

つまりユダヤ人で聖書に通じた人々はメシアがどこで誕生して、何をされるのかを知ることができた。

だが、実際にイエスさまの容姿を見ると受け入れらない感情に縛られ、

なおイエスさまが話す教えには到底受け入れられなかった。

ここに神さまに背く罪があります。

ミカの時代も同じでした。

 

2,偽預言者による偽りの託宣

現代でも神様が仰ったと言う人がいます。ミカがいた時代は政治や、宗教も真実公正に腐敗していました。

既得権益を持つ人々が正しいことに目をつむるようになりますと、社会は立ちゆかなくなります。

ましてや、神さまのことばを伝える預言者が利得のために語るようになりますと、

その預言は的外れとなって国に大きな損失を与えます。

またデタラメな預言には、神さまの教えに威厳がなくなり、

神さまの聖所に他の神々が据えられるようになります。

その偶像には人々が好む教えと儀式が要求されます。

性は淫らになり、死については身勝手な都合の良い教えを広めます。

ミカはその事の憂いを伝えているのです。

現代社会でも似通った世界があると思いませんか。

 

3,そのような時代にのみ込まれて、み心の見分けがつかない事から発生する罪

次の御言葉を読みましょう。

ミカ 7:18 あなたのような神が、ほかにあるでしょうか。あなたは咎を除き、ご自分のゆずりである残りの者のために、背きを見過ごしてくださる神。いつまでも怒り続けることはありません。神は、恵みを喜ばれるからです。

ミカ 7:19 もう一度、私たちをあわれみ、私たちの咎を踏みつけて、すべての罪を海の深みに投げ込んでください。

ミカ 7:20 昔、私たちの父祖たちに誓われたように、ヤコブにまことを、アブラハムに恵みをお与えください。

 

前回のメッセージは来臨されるイエスさまを待ち望むのがクリスマスとお話をしました。

今回はイエスさまが、何のためにこの地上に来られたのかを知る時間とし、

預言者ミカが語るメシア。それはあわれみ深い神であること。

罪を見過ごされる。それと儀礼によるものではなく、心と霊性による信仰を求めておられることです。

その信仰とは、神さまに向けて悔い改めができる人です。

洗礼者ヨハネも「罪を悔い改めよ」と人々に話しました。それがメシアを受け入れる前提でした。

ミカの時代は悔い改めができない人々が多く、儀礼のみにこだわり、神さまのみ思いを知ろうともしませんでした。

 

最期に罪を悔い改めても、罪を犯したことの事実は消えません。

神さまに告白することで、背きを見過ごされるのです。

それから、私たちが悪に支配される事がないように恵みを与えて下さるのです。

 

クリスマスとは、私たちに恵みを備えて下さる恵みの時なのです。

その事を深く受け止めましょう。

 

中澤竜生