キリストの平和があなたがたの心を支配するようにしなさい。

2023年12月17日(日)アドベント第三週を迎えます。

バイブルカフェは10時より開店。

ライブ放送を午前10時、下記からご覧頂けます。



共同訳聖書

12 ですから、あなたがたは神に選ばれた者、聖なる、愛されている者として、憐れみの心、慈愛、謙遜、柔和、寛容を身に着けなさい。

13 互いに耐え忍び、不満を抱くことがあっても、赦し合いなさい。主があなたがたを赦してくださったように、あなたがたも同じようにしなさい。

14 さらに、これらすべての上に、愛を着けなさい。愛はすべてを完全に結ぶ帯です。

15 また、キリストの平和があなたがたの心を支配するようにしなさい。この平和のために、あなたがたは招かれて一つの体とされたのです。また、感謝する人になりなさい。

16 キリストの言葉が、あなたがたの内に豊かに宿るようにしなさい。知恵を尽くして教え合い、諭し合い、詩と賛歌と霊の歌により、感謝して神に向かって心から歌いなさい。

17 そして、言葉であれ行いであれ、あなたがたがすることは何でも、すべて主イエスの名によって行い、イエスによって父なる神に感謝しなさい。



新改訳聖書2017

12 ですから、あなたがたは神に選ばれた者、聖なる者、愛されている者として、深い慈愛の心、親切、謙遜、柔和、寛容を着なさい。

13 互いに忍耐し合い、だれかがほかの人に☆不満を抱いたとしても、互いに赦し合いなさい。主があなたがたを赦してくださったように、あなたがたもそうしなさい。

14 そして、これらすべての上に、愛を着けなさい。愛は☆結びの帯として完全です。

15 キリストの平和が、あなたがたの心を支配するようにしなさい。そのために、あなたがたも召されて一つのからだとなったのです。また、感謝の心を持つ人になりなさい。

16 キリストのことばが、あなたがたのうちに豊かに住むようにしなさい。知恵を尽くして互いに教え、忠告し合い、詩と賛美と霊の歌により、☆感謝をもって心から神に向かって歌いなさい。

17 ことばであれ行いであれ、何かをするときには、主イエスによって父なる神に感謝し、すべてを主イエスの名において行いなさい。


エマオ出版訳聖書

12 ですから、あなたがたは、神の選民、聖徒、また愛されている者として、心からの深い同情心、親切心、謙遜、柔和、寛容を身に着けた者になりなさい。

13 お互いに忍び合い、だれかがほかの人に責めるべきことを見付けても、赦し合いなさい。主があなたがたを赦してくださったのですから、あなたがたも同じようにしなさい。

14 そして、これら全ての上に、愛を着けなさい。そのことによって結び合わせの帯が完成されます。

15 キリストの平和にあなたがたの心を支配させなさい。実に、そのことのためにあなたがたは一つからだへと召されたのです。そして感謝する人でありなさい。

16 キリストのことばを、あなたがたのうちに豊かに住まわせなさい。そして全ての知恵をもって互いに教え、互いに戒めなさい。詩と賛美と霊の歌とをもって感謝に溢れて心から神に歌いなさい。

17 ことばにおいても行いにおいても、あなたがたは、なすこと全てを、主イエスの御名によって行いなさい。主イエスを通して父なる神に感謝しなさい。



<タイトル>

キリストの平和が、あなたがたの心を支配するようにしなさい。


アドベントの第三週を迎えました。来週はついにクリスマスですね。イエス様の降誕を祝うこの日を待ち遠しく思います。


実際にはイエス様は2023年以上前に誕生されました。ですから、私たちが祝うことの意味は、私たちのメシアであり救い主が生まれたことと、再び来られるイエス様の再臨にあります。この二つの要素を心に刻み、注意深く聖書を読み、厳かに祝いたいと思います。


今日は、コロサイ書3章12節から17節を引用し、「選ばれた者」と「メシアを待つ」とはどのような姿勢であるべきかを共有したいと考えます。


1、選ばれた者

コロサイ書の「あなたがたは神に選ばれた者」12節に焦点を当ててみたいと思います。ユダヤの歴史において、「選民」「聖なる民」という言葉が存在します。この言葉は、モーセの律法から始まり、アブラハムの神に特別に選ばれた民という高貴で特別なメッセージが込められています。旧約聖書に登場するユダヤ民族は、文字通りに選ばれた民でした。さらに、彼らの選ばれた存在を高めたとされるのは、バビロン捕囚時代で、異国の地で律法を再構築することによって、選民意識が高まったと言えます。しかし、第二神殿再建後のユダヤ人、特に一部の宗教家は、既得権益にとらわれ、選民という言葉に沈んでしまったという側面もありました。そこでイエスは

「あなたがたは、『われわれの父はアブラハムだ』と心の中で思ってはいけません。言っておきますが、神はこれらの石ころからでも、アブラハムの子らを起こすことができるのです。」マタイの福音書3章9節

パウロもローマ書9章6節ー16節で同じ意味を含めた文章を書いています。

つまり選ばれたと言うのは、「これは人の願いや努力によるのではなく、あわれんでくださる神によるのです。」16節 と書かれているとおりです。

また33節に「この方に信頼する者は失望させられることがない」と信頼するものがあわれみによって選ばれるのです。


選ばれるとためにという言葉には気をつけるようにするべきです。もう一度言いますが、選びは神に信頼する者への贖罪と恩寵によるあわれみなのです







―― 以下は参考にした文献


キリスト教における選民(予定説)について、異なる解釈や立場がいくつか存在します。


  1. カルヴァニズム(Calvinism)

ジャン・カルヴァンによって発展させられたカルヴァニズムでは、選びが強調されています。この立場では、神はあらかじめ一部の人々を救済のために選び、他の人々を選ばないと定めていると信じられています。人々はその選ばれた者か、選ばれない者かを知ることはできません。この立場では、神の恩寵がすべてにおいて決定的な役割を果たすとされています。


2. アルミニアニズム(Arminianism)

アルミニアニズムは、ヤコブス・アルミニウスに由来し、選びに対する異なる立場を取ります。この立場では、神はあらかじめ人々の救済を選び、それに関して自由意志を尊重します。つまり、人々は神の恩寵に応える自由意志を持っており、救済を拒否することもできます。アルミニアニズムは人間の選択の役割を強調し、神の選びが完全に決定的ではないと主張します。


3. ユニバーサリズム(Universalism)

ユニバーサリズムは、最終的にすべての人々が救済されると信じる立場です。この立場では、神の愛と恩寵が全ての人々に行き渡り、永遠の罰が存在しないとされます。ユニバーサリストは選びを否定し、すべての人々に救済の機会があると考えます。



キリスト教における救済に関連する他の教義や信念


1. 予定説(Predestination)

予定説は、神があらかじめ一部の人々を救済のために選び、他の人々を選ばないという信念です。予定説によれば、神はあらかじめ人々の運命や救済を決定しており、人々はその選ばれた者か、選ばれない者かを知ることはできません。カルヴァニズムなどの宗派で重要視されます。


2. アルミニアニズム(Arminianism)

アルミニアニズムは、ヤコブス・アルミニウスによって提唱された教義で、神が人々の自由意志を尊重し、救済においても人間の選択が重要であるという信念を強調します。アルミニアンの立場では、人々は神の恩寵を受け入れるか拒絶する自由意志を持っており、救済はその選択に依存すると考えられています。


3. 贖罪(Atonement)

贖罪に関連する教義では、イエス・キリストの死と復活が人類の罪の贖いとされ、信仰者はイエス・キリストを通じて救済を受けると信じられます。異なる宗派や信者は、贖罪の理論や方法について異なる見解を持っています。


4. 恩寵(Grace)

恩寵に関連する教義では、神の恵みや愛が救済に不可欠であると信じられます。恩寵には異なる形態や程度が存在し、救済を通じて神の恩寵が示されると考えられています。


5. 信仰と行動(Faith and Works)

一部の教派では、信仰だけでなく行動も救済に関与すると考えます。信仰だけで救われる信念(信仰義認論)と、信仰と行動の組み合わせが必要とする信念(義認と行為論)の違いが存在します。