心の闇

11月20日(日曜日)のお話を掲載しました。

テキストとともに観て頂けますと感謝です。

タイトル:心の闇

聖書箇所:ヨナ書1章~3章

 

「人がもし、何かを知っていると思ったら、その人はまだ知らなければならないほどのことも知ってはいないのです。」Ⅰコリント8章2節。

 

 

 心の闇とは、人の心に存在し、表には見せないような思想・思考のこと

 とは? の中に闇を抱えているということになります。 1人でネガティブな感情を抱え、そういった気持ちがあることを他人に見せたり話したりしないことです。

 

 心の闇が長く続きますと精神的なダメージは大きく、そのまま放置しますと心の病気となって日常生活に支障をきたす事態となります。それがいずれ鬱(うつ)へと変わる可能性が高い。

 実は今の私がそうなのかと思える。例えば私の場合、原因が明らかであってそれにもがいている自分自身がいます。

そう思うと原因もわかっていることから、聖書を読んで、そこからメッセージを語りたいと考えました。

 

 

1,旧約聖書に登場するヨナについて

列王記第二14章25節

彼は、レボ・ハマテからアラバの海までイスラエルの領土を回復した。それは、イスラエルの神、【主】が、そのしもべ、ガテ・ヘフェル出身の預言者、アミタイの子ヨナを通して語られたことばのとおりであった。

史実として書かれた書物に一句として登場します。

 

 ヨナとは「鳩」という意味で柔和とはほど遠く、平和の使者とも言い難い、けれども神さまと人間の架け橋となる人物であるかと考えます。彼の父はアミタイと言って「真理」を意味します。

アミタイとその子ヨナは北イスラエルの預言者であって、当時の王ヤロブアム2世の治世で活動していた。(紀元前793年〜753年のこと)

同時代に活動した預言者はアモス(南ユダ王国)。北王国が滅亡すると預言を語っています。

この預言の内容はアッシリヤという国が北イスラエルを壊滅するものでした。

 

 ヨナ書は異邦人の国アッシリアを起用して北イスラエルを罰することでした。アッシリヤの首都ニネベ。ニネベはティグリス川東岸にあって、ニムロデによって築かれた王国です。神さまのみ前では悪国とされ、あたかもソドムとゴモラように破壊されようとしていた。

彼らの悪が私の前に上って来たからだ」ヨナ書1章2節

 

 神さまはヨナに向け御旨を伝えるためニネベに行くようにと告げますが、ヨナはイスラエルの預言者であって異邦人に向けて預言することを良しとは思わなかったようです。神さまには目的があったのですが、預言者であってもイスラエル人です。ヨナにとっては耐え難い課題でした。

 

ヨナが忌み嫌ったアッシリヤとは、

ヨナ3章8節 「それぞれ悪の道と、その横暴な行いから」別資料によると偶像礼拝、征服した民族に残虐な行為を行い周辺の諸国に恐れを与えていた。

 

 ヨナはニネベに住む人々が悔い改めをする予測をしていた。その御言葉が次の通りです。

ヨナ書 4章2節

 【主】に祈った。「ああ、【主】よ。私がまだ国にいたときに、このことを申し上げたではありませんか。それで、私は初めタルシシュへ逃れようとしたのです。あなたが情け深くあわれみ深い神であり、怒るのに遅く、恵み豊かで、わざわいを思い直される方であることを知っていたからです。

 

 先にも語りましたヨナはイスラエルの預言者です。その勤めがくもり働きが暗くなります。冒頭にお話しした「闇」です。異邦人の改心が喜べない心です。

 

2,ヨナに起こった闇

 ヨナ書2章では、嫌がるヨナの身に想像を絶するあり得ない出来事が起こります。「大きな魚」1章17節 にのみ込まれる。これが鯨なのかは不明で現生物では考えられないことです。

 私はのみ込まれた話の時点で「闇」とあてはめました。この「闇」は絶望です。足が地に着かない。もみくちゃにされている状態の闇です。

ヨナ書2章3節、5節~6節

 あなたは私を深いところに、海の真中に投げ込まれました。潮の流れが私を囲み、あなたの波、あなたの大波がみな、私の上を越えて行きました。

水は私を取り巻き、喉にまで至り、大いなる水が私を囲み、海草は頭に絡みつきました。 私は山々の根元まで下り、地のかんぬきは、私のうしろで永遠に下ろされました。

 

 この聖書のことばで想像できますか。絶望的で助かる方法はありません。まさに深闇です。ヨナにとって三日間の経験は絶望的でしたから、次の祈りへと移行します。

 

3,改心するヨナ

 

ヨナ書2章4節、7節

私は言いました。『私は御目の前から追われました。ただ、もう一度、私はあなたの聖なる宮を仰ぎ見たいのです。』

しかし、私の神、【主】よ。あなたは私のいのちを滅びの穴から引き上げてくださいました。

私のたましいが私のうちで衰え果てたとき、私は【主】を思い出しました。

 

 

4,祈りから出てくる信仰

 

ヨナ書2章7節

私の祈りはあなたに、あなたの聖なる宮に届きました。

 

 最期に

ヨナ書2章8節、9節

空しい偶像に心を留める者は、自分への恵みを捨て去ります。

しかし私は、感謝の声をあげて、あなたにいけにえを献げ、私の誓いを果たします。救いは【主】のものです。」

 

 ヨナの心にも偶像と同じ自分の意志が神さまの意向よりも強くありました。

神さまに仕える預言者の役目から逸脱していたと考えられます。

その結果、闇が覆ったのでした。

この事にも心に留めましょう。