全国朝祷会宛に出した文章

10年目からの協働

 

 新年あけましておめでとうございます。

 東日本大震災は、今年で10年目を迎えます。仙台朝祷会・大阪朝祷会では被災地の状況をお知らせし祈って頂きました。ここまでのご支援にも心より感謝を申し上げます。

 

1. コロナ禍での限られた活動

 昨年はコロナのことであらゆる計画が延期或いは中止となりました。それに私が、主に活動とする南三陸町はコロナ感染者が出ていないこともあり、社会福祉協議会では外部ボランティアの活動をご遠慮いただく方針ですと話されました。とはいえ、応援くださる皆様には強く拒否することもできないので、感染対策を強化してもらうことを促しているのが現状であるという話でした。私の活動は「社協との協働」という観点から、リスクも考慮しつつ活動を最小限にしつつ継続しています。

2. なぜ活動を続けるのか。

 あれから10年を迎えますが復興事業は未だ続いています。特に沿岸部に住われる人々は復興住宅に移られ、それぞれが必死になって生活を取り戻す様子を見る事ができます。けれども以前のような生活を取り戻すことが出来ず、生活困難者と思われる人が増え格差社会が拡がっています。そこで行政やNPO団体も支援を続けてはいますが、相談から漏れる人、孤独に苛まれる方、世渡りが下手と言われる方の行き場所がなく、叫び声を聞いてもらえそうな方に相談されるのです。それが現場に立ち活動されるクリスチャンたちでもあるのです。震災当時から活動し、気心知れる優しい方に相談されるのです。私がそうだと言っているのではありません。個人の緊急事態に見過ごす事ができない方々が現地には多数おられるのです。私の目指す活動は、地域コミュニティ形成です。地域住民が互いに思いやり、支え合う。近隣で安否を問います。地域だけではどうしてもコミュニティ形成が内向きになりやすいので外部ボランティア、団体にも繋げ、形成のためのほんの少しの促進者となることを目指しています。

3. コミュニケーションの場を有効に使う

 活動に制限がかかる中、昨年の秋頃より次の要望がありました。川上直哉氏(東北ヘルプ事務局長・日本基督教団石巻栄光教会牧師)から、「カトリック仙台司教区が管理・運営をしているカリタス石巻の働きを、仙台キリスト教連合あるいはその下部組織であるNPO法人 被災支援ネットワーク・東北ヘルプ《以下「東北ヘルプ」という》の側で引き継いでもらえないだろうか」ということでした。「カリタス」の働きは被災地でもよく知られています。石巻ベースに訪ねて来られる方は多く、寄り添う居場所となっていました。幾度も川上氏とお話をしましたが、私が介入することは全くもって考えていませんでした。ところがこの時勢、コミュニケーション不足に陥り、様々な課題と問題、ジレンマが起こっています。それにコロナ禍で現場に立てないことが大きな課題でした。一番の理由は、南三陸町が仙台市からは遠い、ということにありました。そこで川上氏よりあった話の内容を自教団の先生にも相談させていただきました。更に事実をこの目で確かめるため週に一回のお手伝いをさせていただく事にしました。結果、私の気持ちは決まりました。12月後半、「カトリック仙台司教区にあるカリタスジャパンの事務局」と、東北ヘルプの両者の話し合いでまとまった書面を経て、今年4月からもう一つの拠点、石巻ベースでの宣証活動となりました。仙台市、石巻市、南三陸町での働きのため、是非とも覚えてお祈りくださいましたら感謝です。 

 

4. 悲惨であった大震災を覚えるクリスチャンネットワーク追悼会

 最後に、今年で9回目となる被災地沿岸部で開催されてきた「宮城三陸3.11東日本大震災追悼記念会」ですが、昨年はコロナのことで中止とさせていただきました。世話人会では、2年連続の中止となることは、現地から発する「忘れないで」と言われる声に反するのではと考えました。その声に耳を傾け協力してくださったのが「東北応援団LOVE EAST」に所属するアーティストでした。今回はコロナ禍でもあるため現地でオンライン放送とその後録画放送にて東北に向けた「愛と希望のコンサート」を届ける事になりました。「宮城三陸 追悼会」でネットより検索ください。是非とも現地に優しさを届けたいと思います。応援を宜しくお願いします。

 

闇もあなたに比べれば闇とは言えない。夜も昼も共に光を放ち闇も、光も、変わるところがない。   詩篇13912

 

キリスト聖協団仙台宣教センター

中澤竜生