ダニエル書から

 

今日は6章からお話しをしますが、少し簡単にお話をします。

新バビロニアの王ネブカドネツァルによって、ダニエルは生まれ故郷のエルサレムより強制的にバビロニアに連れてこられました。

1)地図を見せる。

バビロニアでは、優秀な若者を捕囚の民と区別することなく選び宮廷に仕えることを命じます。ダニエル書の始まりはその説明から進行します。

見事に成長したダニエルと3人の若者。あらゆる苦境に立たされますが、信仰によって乗り越えていく様が書かれています。

つまりこの書は、ユダヤ人にとって、異教地であっても信仰と信仰ある生活を送ることで可能性を導き出すことができるという、意図があるように思われる。

その中でも、2箇所を取り上げます。

1,ダニエルの欠点や弱点を探し、陥れようとする他の大臣や監督たち。

ダニエル書6章を朗読しますと、ダレイオス王がダニエルの優秀さを認め大臣の中でも一番にし、メディアとペルシャ王国全般の運営を任せます。それを知った、他の大臣二人と120名の太守(監督)の一部がダニエルに陥れようとする。つまり、王様がダニエルに期待する状況に嫉妬心を抱いた。それは、イエスを十字架に架けよう、亡き者しようとした一部の律法学者と同じです。

 (1)嫉妬心は判断を鈍らせる。(2)何をすべきかを見えなくする。(3)そこからは正しい道を歩むことができない。

国の事業を任された大臣や太守は、ダニエルの間違いを探すようになります。ですが、ダニエルは性質は謙遜であって、何事にも忠実に行っていました。何よりも「口実」が見つからないということです。

2,人の災いは、おしゃべりから発生するとも云えます。ダニエルはこの事でも落ち度はなく賢くふるまったと云えます。さすがに、何もないことから、陥れることはできません。事実を作る必要がありました。それで、ダレイオス王を巻き込んでダニエルを陥れることにします。

2,ダレイオス王による禁令制定。

「王よ。国中の大臣、長官、太守、顧問、総督はみな、王が一つの法令を制定し、断固たる禁令を出していただくことに同意しました。すなわち今から三十日間、王よ、いかなる神にでも人にでも、あなた以外に祈願をする者は、だれでも獅子の穴に投げ込まれる、と。」6:7

この禁令を制定する前に、ダニエルも賛同をしたかのように見せかける王に対する罠がありました。それは、王への反逆行為でもあります。

ダニエルを陥れようとする人たちには、既に何も見えない、正しい判断力もつかない状態であることがわかります。感情が病んでしまうと周りが見えなくなるのです。王は禁令を国中に出してしまいます。もちろん、他のユダヤ人を捉えるためではありませんからダニエルだけを見張る状況です。

3,ダニエルの祈り。

ダニエルの毎日は3度エルサレムの方向にむけて祈ることです。欠かすことはありませんでした。何も30日の期間を設けなくともすぐに答えは出ます。

ダニエルの祈りは「感謝」の祈りと「哀願」です。6:10,11 執筆者はなぜこのように祈りの内容を残したのでしょう。つまり、ダニエルの祈りは聖書の教え通りです。その国の平和はもちろんのこと、その国の指導者のために祈る。ダニエルはその詳細を常に祈っていたので、神は彼に後におこるであろう知恵を与えたということでしょうか? 私はここに神の霊を感じるのです。また、ダニエルに日常はこのようにして始まり、終わるという毎日です。健康的な心(霊性)は彼に奇蹟を起こします。また王様にも変化を与えます。それどころか「神の霊」を感じさせるのです。

4,神の霊 ダニエル書5章から

ベルシャツァル王は、ネブカドネツァル王の息子です。ですがこの間に4人の王が約23年間続きます。どの王にもダニエルは使えてきました。それどころか信頼を得ていました。それも異教徒の地においてです。ダニエルは、様々な人種、宗教者、その地の占い師を束ねる長でした。本来、このような状況におかれることは苦しかったのではないでしょうか。だけれども、ダニエルは彼らからも信頼を得ていたと思われます。つまりそれは良い関係であったとも云えるのではないでしょうか。これは私の思いです。先にも書きましたが、口実が見つからなかったがダニエルの関係作りと云えます。

そのような関係作りは、きっと神さまとの関係にも繋がっていたと思われます。そして周囲には次のように言わしめた「あなたの王国には、聖なる神の霊の宿る人がいます。あなたの父上の時代、彼のうちに、才気と聡明さと、神々の知恵のような知恵があることが分かりました。」11 誰もが認める存在でした。